コーヒーという嗜好品が歴史上禁止された例はいくつかありますが、その中で最も厳格だったのが17世紀前半にあったイスタンブールの「コーヒー禁止令」です。これはたとえ初犯であってもコーヒーを飲んでいるところを見つかったら即処刑という非常に厳しい罰則がありました。17世紀後半には若干罰則が緩められましたが、それでも初回に杖で叩かれ、2回目には袋詰めにして海に沈められるという恐ろしい罰則でした。

ではいったないなぜ「コーヒー禁止令」が敷かれたのでしょうか。実はこの禁止令自体は口実で、当時の工程の政敵を排除するのが本当の目的でした。当時のイスタンブールではコーヒーが流行していました。ヨーロッパから伝わってきた水タバコとともにカフェハネで嗜むようになりました。そんな中で反権力主義者だったスーフィー教団が宮廷で権力を握る皇太后などの政治勢力と癒着していきました。

そこでこれらの勢力を潰すために、コーヒー禁止令を発令し、粛清という形でどんどんと気に入らない人たちを処刑していったのです。一説によるとこの時に処刑された人の数は3万人という話もあります。こうして反対勢力を次々と削って新たな勢力が台頭していったのです。

かつてインドでもお茶にまつわる激しい闘争がありましたが、まさかコーヒーでもこうした悲惨な事件があったとは思いもよりませんよね。今私たちが平和にコーヒーを飲めることはある意味では非常に幸せなことなのかもしれません。